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大久野島観光。真っ白なウサギは平和の使者だった?

この時期になると”平和”について考えます。特に今年は現職のアメリカ大統領が世界で初めて原爆を投下した広島を訪れ、平和の尊さを訴えた年です。

 

久しぶりの休日。私は愛車・ESRマグネシアの自転車で、瀬戸内海にある大久野島へ向かいました。ガイドブックでは「ウサギの島」などと紹介され、さながら「島まるごとウサギcafe」といった趣の大久野島はリピーターも多く、遠く北海道や関東からのお客様も多いと聞きます。でもこの島、昭和17年頃には年間1200トンの毒ガスが製造されていたという歴史があり「毒ガス島」とも呼ばれていました。


島へ渡るアクセスは1時間に約1本のフェリー。乗船時間は10分足らずですが、フェリーを操縦する職員さんからは「どこから着たの?」、「良い自転車持ってるね」とフランクに話しかけて下さいました。聞けばここ数年、GWや連休中は臨時便を出しても乗せられない程のお客様が押し寄せているそうで、こんなに空いている日は珍しいとのこと、ラッキーでした。


70年以上前、ここは確かに戦場だったのに、今日の瀬戸内海はなんて穏やかなのだろう、と思いながらキラキラと輝く水面を眺めました。大久野島は一周4.3km。自転車で廻るにはちょうど良い距離です。


まずは「毒ガス資料館」へ行きました。戦後、GHQによって徹底的に排除された毒ガスですが、その製造過程や処理でも多くの方が命を落としたという痛ましい事実を知りました。資料の多くは廃棄処分されており、展示品は少ないですが、それでも悲惨さと平和を痛感する資料館でした。


平和がいつまでも続くことを祈りながら、次は毒ガス貯蔵庫跡へ向かいました。海からの風を感じながら走らせる自転車は最高で、そんな私に興味を持ったウサギ達があちこちからピョンピョン飛び出してきます。

 

持参したキャベツやリンゴを差し出すと、おびえることもなく寄ってくる数十頭のウサギ達。そっと触ったその毛は想像していたよりしっかりしていました。中には人見知りなウサギもいて、さんざん獲られた後のちょっとした残りのリンゴを貰っていく子もいました。再び自転車を走らせる私の後を追ってくるウサギもいて、とても愛しく感じます。


毒ガス貯蔵庫跡は、今では廃墟となったコンクリートの壁ですが、火炎放射器で焼き払った跡が今なお残っていて、鼻の奥がツンとしました。


おもむろにカメラのシャッターを押そうとしたら、その真ん中にひょっこりと現れた1頭の真っ白なウサギ。こちらをじっと見つめながら微動だにしないウサギにシャッターを押そうとした指が止まりました。「平和なんだ」。この小さな命が無事に生きていられる。こんなに穏やかに過ごせるのは平和だからなんだ、とぐっとこみ上げてくるものがありました。


70年以上前、ここは「地図から消された島」でした。でも命はあったのです。人に知られることなく散っていった命があったのです。1頭のウサギに、平和の尊さとそれを守ることの大切さを教えられた1日でした。